経済学科「経済データ分析専攻」開設記念講演会を開催

イベント

2023.12.08

 11月11日(土)、14号館1421教室で経済学科「経済データ分析専攻」開設記念講演会が開催されました。これは、令和6年度に「NEW!クマガク」のキャッチフレーズのもと行われる全学的教育改革の一つである経済学科の経済データ分析専攻開設を記念して行われたもの。約30名の聴講者を前に、本学卒業生でデータサイエンティストとして活躍するBellefolio合同会社CEOの増田有一郎氏、経済学部の林田実教授(専門:データサイエンス)、日本経済政策学会会長で大阪大学大学院経済学研究科の福重元嗣教授が講演しました。
 開会にあたり、細江守紀学長は「経済データ分析専攻の開設は、令和6年度の全学的教育改革の一つである文理融合教育の柱。地域の方々からのニーズに応えながら学びを強化させていきたい」と挨拶しました。
 最初に登壇した増田氏は、「本学での学びとデータサイエンティストの仕事」と題し講演。本学で学んだ経済学(ミクロ・マクロ経済学、ゲーム理論など)と情報系科目(統計学、データ処理、プログラミングなど)が現在の仕事につながっているとし、「データサイエンティストは、企業の課題解決・戦略立案などに活用できるデータの収集・分析を行う職種。分析する能力だけでなく、分析で得た結果を顧客に提案するコミュニケーション力が必要不可欠」と語りました。
 続いて登壇した林田教授は「株式投資とデータサイエンス」をテーマに講演し、アメリカの電動輸送機器およびクリーンエネルギー関連企業「テスラ」を具体例に株式や債券などについて説明。データを活用して分析や解析を行い、有益な洞察を導きだすデータサイエンスの有効性についても言及しました。「投資は個々の人間の総合力が問われる。事実(データ)をもとに自分の目でチェックすることが一番大事で、感情にまかせて投資するのではなく、経済データを分析しながら投資してほしい」と述べました。
 最後に「ChatGPTの時代の経済学部とデータサイエンス」と題し福重教授が登壇。言語の翻訳が機械によって容易になった背景や、アプリなどのソフトウェアを作るための言語(コード)も簡単に生成できるようになった背景に触れ、「ChatGPTの出現によって少なくとも1つの言語を使えればプログラマーの仕事ができるようになったため、これからはどのように分析するかというデータサイエンティストの視点が必要。大学の学びでは、問題を発見し、特定の分野においてどのように考え、どのようにデータ分析をするかを実際に経験してほしい」と語りました。
 閉会の挨拶で坂上智哉経済学部長は、「本学は、約30年前から情報教育を経済学に応用して授業で展開してきた歴史をもつ。それをさらにデータサイエンスの技術を活用して発展させていきたい。これから変わる経済学部を楽しみにしてほしい」と今後の抱負を述べ、記念講演会は幕を閉じました。

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