社会福祉学科の学生が美里町でフィールドワーク

学部

2023.12.04

 11月18日(土)・19日(日)に下益城郡美里町を訪ね、1泊2日のフィールドワークを行いました。

これは社会福祉学科の授業「社会福祉入門」の一環で、美里町社会福祉協議会の協力により中山間地域で暮らす人たちの生活に触れ、社会問題、社会福祉の現状や課題について学ぶことを目的に行われているもの。4年ぶりの開催となった今回は、4つの班に分かれ公民館やグループホームを訪問し、レクリエーションと食事会を行いました。

 1日目は美里町社会福祉協議会中央支所で社会福祉協議会の職員や民生委員・児童委員から町の高齢者の生活実態や民生委員の役割、仕事の内容や地域の現状について経験に基づいた説明を聞き、理解を深めました。その後、翌日の地域サロンや施設に入居している方々との交流時に振る舞うお弁当作りの準備や、レクリエーションの実施に向けた最終確認を行いました。2日目は、二つの班に分かれて活動。お弁当作り班は早朝から食生活改善委員の方と一緒に、早朝から前日準備した具材を使ったお弁当作りからスタート。介護予防にはたんぱく質の摂取が重要ですが、山村生活では買い物の困難によって十分なたんぱく質が取れていないのではないかと考え、減塩、タンパク質量を考えたお弁当を作り、事前に一枚ずつ手書きで作成してきた包み紙で包装しました。サロン班は、公民館やグループホームなど4か所に分かれて移動し、ゲームや手芸、干し柿作りなどのレクリエーションを実施。地域の方や施設の入居者の方と世代を超えた交流をしました。そこに、お弁当班の学生たちが作ったお弁当を持参して合流。お弁当を受け取った利用者や地域の方はとても嬉しそうに包み紙のメッセージを読み、「季節のものも入っていておいしい」と喜んでいる様子でした。社会福祉学を学ぶにあたり、年齢や生活が異なる方々の話を直接聞くことや、社会問題について鋭敏な感覚を身に着けることが重要であることから、食事が終わると、お弁当の感想や現在の食生活に関する課題についてインタビューを行いました。

 グループホームを訪問した山本優さんは、「レクリエーションの際に編み物をレクチャーした。棒やかぎ針などを使わずに、手だけで編む方法を伝えたところ、会話のなかで自分の知らない編み方をご存じだったので、それを教えてもらった。学ぶことの方が多かった」と話しました。

また、中里琉星さんは「お弁当の献立は塩分を控えめにし、タンパク質をたくさん取ってもらえるようにみんなで考えた。レクリエーションでは、利用者の方の介護レベルに合わせることが難しかった。実際に実施してみると思っているよりも難易度が低いように感じたので、次回以降は参加する方の個々の状態を事前にリサーチして、もっと楽しんでもらえるレクリエーションができるように準備したい」と語りました。

 今回調査した食をテーマとした課題については、引き続き調査を進め、結果を発表する予定です。

SHARE: