【教員が紹介する!おすすめの本】『2030年の未来マーケティング - 暮らし・仕事・学びが変わる! 「個のデザイン」の時代へ - 』石田秀輝・Food Up Island著、ワニ・プラス 2022年

おすすめの本

2023.11.30

熊本学園大学商学部教授 吉川勝広

おすすめの理由

 マーケティングに関する書籍は、大企業を事例にして既存の理論から、その競争優位性などを論じるものが多い。しかし、この書籍は、2030年までに持続可能な社会をつくるための目標であるSDGsを達成するためには、何をすべきなのか。ここで掲げられた目標を実現するために、暮らし、仕事、学びといった「個のデザイン」を実現することが重要であるとし、2030年という未来では儲かる商品やサービスをどのように展開すればよいのか。どのようなマーケティングが必要なのか。これらに関して示された良書です。

本の紹介

 カゴメ、亀田製菓、カルビー、キリンホールディングス、サッポロビール、ニチレイフーズ、森永製菓、森永乳業といった食に関わる実践者が企業・業界の枠を超え、食を本質的に見直し新しい価値を生み出し続ける共創コミュニティであるFood Up Islandと研究者である石田秀輝が、SDGs(持続可能な開発目標)の達成期限である2030年に暮らし、仕事、学びがどの様に変化するのか。例えばリモートワークによる商品開発、田舎での就農者増、使えるものはシェアして使うといった、これまでの大量生産、大量消費が変化していくであろうことが示唆されている。これに合わせマーケティングも変化せざるをえない。それにEV(電気自動車)、自動運転といった技術を凝らした商品に関しても、現段階の状況を踏まえ、2030年の自動車マーケティングがどのように変化していくのか。新たに生み出されていくテクノロジーは上手く使うことで、持続可能な社会を実現できるということが示唆されている。

タイトル 2030年の未来マーケティング暮らし・仕事・学びが変わる!「個のデザイン」の時代へ
著者名 石田秀輝、Food Up Island
出版者 ワニ・プラス(2022)

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