【教員が紹介する!おすすめの本】『情報セキュリティ読本 六訂版』独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)著、実教出版株式会社(2022年)

おすすめの本

2024.03.11

熊本学園大学商学部教授 得重仁

おすすめの理由

 現在の高度情報化社会では、様々な情報サービスがネットワークを介してコンピュータやスマートフォンなどに提供されています。情報サービスにより日常生活の利便性は向上していますが、同時にコンピュータやネットワークへの攻撃が増加しており、 その手法は日々進化しています。特に、コロナ禍でのテレワークの広い導入に伴い、新たな攻撃や脆弱性が明らかになっています。これらへ効果的に対処するためには、利用者自身が情報セキュリティの知識を持ち、社会の変化に応じてその知識をアップデートし続ける必要があります。本書は、ITパスポート試験を実施している独立行政法人情報処理推進機構による刊行物で、情報セキュリティの基本から記述され、そし て、情報セキュリティの全体像が把握しやすいように構成されています。また、タイトルに「六訂版」とあるように情報化社会の変化に応じて内容の見直しが行われています。初学者の方は情報セキュリティの基礎的な知識の取得に、そうでない方は知識の確認とアップデートに役立つことでしょう。

 

本の紹介

 この書籍は、7章から構成されています。第1章では、情報セキュリティにおける被害 事例、危険の認識と対策について紹介されています。第2章では、情報セキュリティの基礎として基本概念やリスク要因が説明されています。第3章では個人レベル、そ して、第4章では組織の一員としての情報セキュリティ対策が説明されています。第5 章では、攻撃手法、暗号とデジタル署名等のセキュリティ技術について説明されてい ます。第6章では、情報セキュリティに関する法律、情報セキュリティ関連制度等が紹介されています。最後に、第7章では、情報処理推進機構セキュリティセンターの活動が紹介されています。 ページ数も152ページとさほど多くはなく、個人レベルから組織レベルまで、そして 技術的な側面のみではなく、法規や関連制度にも言及されています。そして、更なる学習の契機となるような情報セキュリティに関するコラムが掲載されています。

 

 

タイトル 情報セキュリティ読本 六訂版
著者名 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
出版 実教出版株式会社(2022/10)
ISBN 9784407361179

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