令和6年度 春期公開講座がスタート

イベント

2024.06.18

 6月8日(土)、「新1号館 みらい」121教室で令和6年度春期公開講座が開講し、42名が参加しました。今回は、「地域から考えるSDGs」をテーマに、6月29日(土)まで全4回にわたり実施予定。SDGs登場の背景とその概要を踏まえて、気候変動問題や熊本県内の地域に根ざしたSDGsの事業実践から、地域の持続的な発展や豊かな未来について考えていきます。

 開講式で、公開講座運営委員長の圡井浩嗣外国語学部教授(専門:朝鮮近代史、農業史)が「気候変動問題や人口減少問題、持続可能な社会の実現などは、世界・日本はもとより熊本でも身近な課題となってきています。本講座を通して、SDGsをより深く、身近なものとして考える機会としていただきたい」と挨拶しました。

 講座では、宮﨑麻美経済学部准教授(専門:国際関係論)が「SDGsと国連気候変動枠組条約交渉の過去と現在」と題して登壇。はじめに、受講者同士の交流を目的にアイスブレイクを実施しました。受講者は5~6名の班を作り、自己紹介と「環境問題を考えるようになったきっかけ」「気候変動のイメージ」「SDGsの目標とターゲット、どれが環境と関わると考えるか」をテーマに意見交換。参加者は積極的に自身の考えを述べ、笑顔で相槌をうちあいながらお互いの意見に耳を傾けていました。アイスブレイクの後半では、班の代表者がそれぞれの項目について意見を発表。フロア全体で共有した後、宮﨑准教授の講座がスタートしました。

 宮﨑准教授は、受講者の発表内容や資料映像なども交え、世界や日本における気候変動の影響として異常気象、自然災害、熱中症などの健康被害、海洋生物など生態系の変化を例示。気候変動に対する国際的な取り組みとして、パリ協定やSDGsについて言及しました。SDGsは、2030年までに持続可能でより良い世界をめざすための17の目標を掲げており、そのなかには気候変動の抑制も含まれていることや、発展途上国に対する国連や先進国の国際開発計画から生じた課題解決のための取り組みであるという歴史的背景についても説明。SDGsのそれぞれの課題は相互に関連しているとし、「SDGsや気候変動について、私たちが何をすべきか。それは、行動し、知識を蓄えることが一つ。気候変動は広範な問題だが、多くの情報がある分野でもあります。だからこそ、積極的に学んでほしいと思います。また、さまざまな人と対話し、共通の問題に対して皆で解決に取り組むことが大切。さらに、現場に足を運び、生産や廃棄の現場を見学してみましょう」と宮﨑准教授は呼びかけました。

 受講した50代男性は「仕事の関係で、SDGsについて学びたいと思い受講しました。学べば学ぶほど複合的な課題であると感じました。これからの講義も楽しみです」と感想を語りました。

SHARE: