第34回外国人留学生弁論大会を開催
2024.06.25
6月12日(水)、本学国際交流委員会が主催する「第34回外国人留学生弁論大会」が「新1号館 みらい」121教室で開催されました。この大会は、本学に在籍する外国人留学生の日本語運用能力の向上と、日本人との相互理解を深めることを目的に、留学生活を経験するなかで抱いたさまざまな意見を日本語で発表するものです。今回は、韓国、中国、台湾、ベトナム、ネパールの5カ国・地域からの留学生10名が登壇。会場には一般の方をはじめ、在学生や教職員、ともに学ぶ留学生など約30名が聴講しました。
「きっかけ、そして 今」と題して登壇したキム スミンさん(韓国/東アジア学科3年) は、高校生の3度目の来日時、困りごとを助けてくれた方に日本語でお礼の言葉が言えず心残りとなり、日本語の習得に奮起し、「今年、熊本に来てよかったと思う。きっかけをくれたあの時のあの『親切』は忘れられない、大切な思い出」と弁論しました。また、教育への意識の違いから抱いた夢が夢でしかなかった母の世代。教師になりたかった母の夢を聞き育ったプン ダヤさん(ネパール/ホスピタリティ・マネジメント学科1年)は、娘に教師になってほしいという母の願いを果たさず日本行きを一人で決めた自分を母は今も変わることなく応援してくれていることを「一番嬉しかったこと」として語りました。会場からは出場者全員に温かな拍手が送られました。
『内容(テーマと論旨の融合性、展開性、全体の校正)』『日本語(発音や文法が正確かどうか、語彙や言い回しが適切かどうか)』『技術(弁論中の視線や声の大きさ、弁論のスピー ド)』を基準として審査した結果、最優秀賞にキム スミンさん(韓国/東アジア学科3年)、優秀賞にリョウ シュンケツさん(中国/国際文化研究科国際文化専攻2年)と、オム ソユンさん(韓国/東アジア学科4年)、来場者の投票で選ぶオーディエンス賞には、キム スミンさんが選ばれました。
最優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞したキム スミンさんは「とても緊張したけど、いい発表ができて良かった。将来日本で働きたいと思っているので、それに向けてこれからも学び続けたい」と将来に向けての意気込みを語りました。
審査委員長の向井洋子国際交流委員長は講評で、「発表者の皆さんの日本語のスピーチはとてもすばらしいレベルで順位をつけるのがとても難しかった。これからも日本語の勉強を続けていただき、本学の学生として勉学に励んでほしい」と述べました。審査員を務めた井川理講師(経済学科)からは、「とても接戦で、審査をするのはとても難しかった。日本文学を教えている立場から、日本語の内容に対してどのような表現をしているかという点に注目して採点した。留学してきた背景や不安、留学生活の楽しさも知ることができてとても興味深かった。これからもぜひ留学生活を楽しんでください」と述べ、盛況のうちに閉会しました。
入賞者と発表テーマは以下のとおりです。
【最優秀賞】
- キム スミンさん(韓国/東アジア学科3年)「きっかけ、そして 今」
【優秀賞】
- リョウ シュンケツさん(中国/国際文化研究科国際文化専攻2年)「カナリア」
- オム ソユンさん(韓国/東アジア学科4年)「日本人の情について」
【オーディエンス賞】
- キム スミンさん(韓国/東アジア学科3年)「きっかけ、そして 今」