北陸学院大学の田中純一教授がゲスト講義を行いました

イベント

2024.07.02

 6月24日(月)、 1163教室で社会福祉学部「ソーシャルワークの理論と方法Ⅱ」のゲスト講義が行われ、北陸学院大学教授の田中純一地域教育開発センター長(専門:災害社会学)が登壇し、約120名の学生が受講しました。このゲスト講義は令和6年1月1日(月・祝)に発生した石川県能登地方を震源とする地震の被災地でボランティアに取り組む田中教授が、被災地の現状を伝え、学生に対しボランティアや学生だからできることを伝えるために設けられたもの。田中教授は能登半島地震発生時より、ボランティア活動に精力的に取り組んでおり、今の現地の様子の写真をスライドで見せながら現地の課題などを問いかけました。

 田中教授は、被災地の現状について、仮設住宅の設置が進み、そこで生活を始めようとしている人が出てきている一方で、避難所のなかでも1次避難所(災害発生直後に近くの体育館などへ身を寄せる1次避難先)や2次避難所で生活をしている人もまだ多いと話されました。地震直後の状況について、福祉施設が「福祉避難所(高齢者やしょうがい者など一般の避難所生活では支障をきたす要配慮者に対して、特別の配慮がなされた避難所)としての機能はないなかで、それが必要な方も1次避難所で生活をしていた。また、小さな子どもがいる世帯やペットを飼っている世帯は避難所にいきたくても受け入れ態勢が整っておらず、壊れた住宅に留まらざるをえなかった方々もたくさんいる。これらの問題は過去にも起こっており指摘をされているものの、解決にいたっていない。こういった顕在化している復興支援の問題を繰り返さないために一人ひとりがしっかり考えてほしい」と語りました。

 また、学生の力は本当に偉大だとし、「君たちは専門家でもないし、まだまだ勉強も十分ではない。知識も十分ではない。しかし、私たちみたいな専門家や教員にはない純粋さをもっている。学生と交流していると、住民たちは力をもらい、希望を抱き始める。そういうパワーを君たちは与えられると思う。九州にいつ起こるかもしれない、次の災害に向けてしっかりと備えをして、人を助けられる存在になってほしい」と語りました。

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