商学部波積ゼミがホテルの朝食メニューを提案
2024.09.25
商学部の波積真理教授(専門:フードビジネス)の3年ゼミ生10名が、三井ガーデンホテル熊本(熊本市中央区)と共同で「朝食改善プロジェクト」に取り組みました。これは、フードビジネスを専門とする波積ゼミに対し、同ホテルが「魅力的な朝食の企画」を依頼したことから始まったもの。同ホテルとして初の産学連携プロジェクトで、ゼミ生たちはAからCの3班に分かれ、4月から約3カ月にわたって、同ホテルでの朝食体験や他ホテルでの朝食調査を重ねながら、スペシャルメニューの創出とホテルレストラン魅力向上の企画に取り組みました。各班が立案に加え、新琴美さんが個人で立案したものを含む4つの企画案をそれぞれプレゼンテーションしました。
A班は、ホテル利用者に記憶に残る体験の提供をめざし、熊本の名産品である柑橘系の果物を使用した「みかん生絞りジュース体験」を提案。ターゲット層の設定やコスト計算、SNSを活用した情報発信方法について、学生たちが制作した動画を交えながらプレゼンテーションを行いました。B班は、栄養価とSNSでの話題性を考慮し、アサイーボウルを提案。旅行者が自分好みに選んだ熊本特産のフルーツをトッピングできることで、栄養を取りながらホテルの独自性を強調できると説明しました。C班と新さんはお茶漬けを柱に考案。C班は熊本県産の米と全国2位の漁獲量を誇る真鯛をメインとしたお茶漬けを提案しました。新さんは、ホテル一押しのトッピングセットを複数用意することで、忙しいビジネスマンや日本食に不慣れな外国人旅行者に対する配慮を提案しました。
8月9日(金)、同ホテル内でゼミ生が発表した企画案に対する表彰式が行われました。各班が提案したスペシャルメニューのプレゼンテーションにもとづき、同ホテルから最優秀賞、アイデア賞、グッドプレゼン賞が用意され、グッドプレゼン賞には、聞き取りやすい声と話し方、わかりやすい資料、そして企画の魅力をしっかりと伝えたC班の出井光咲さんが選ばれました。アイデア賞は、個人で企画提案を行った新琴美さんが受賞しました。新さんの提案は、お客様が楽しめる朝食を考慮した内容であり、特に具材の組み合わせ提案が他のメニューにも応用できる点が評価され、今後のレストラン運営において参考になるとの評価を受けました。そして、最優秀賞は、ターゲット設定の明確さ、実現性、話題性に加え、お客様が体験として記憶に残るような企画であるとの評価を受けたA班が受賞しました。
表彰式後、ゼミ生たちは班毎に同ホテルの朝食コーナーに関する改善案を提案しました。照明や季節に応じた空間づくりなどの意見を受け、ホテル側は実際の運営や統計データに基づいたフィードバックを行い、ゼミ生たちは新たな気づきを得ることができました。
その後、同ホテルからゼミ生たちの提案を形にしたスペシャルメニューが提供されました。みかんの生絞り体験や、熊本県産米と真鯛、複数のトッピングが楽しめるお茶漬けなど、自分たちが提案したものを実食することで、企画の優れた点や効率性を実感しながら学ぶことができました。参加したゼミ生たちからは、「お客様の目線に加えて、企業側の視点や、年代別、海外からの旅行者など、さまざまな視点で考える力がついた。成果発表に対してフィードバックを受け、自信が持てた。今後の学びにいかしたい」という感想が聞かれました。