「次代舎」(第7期)で本学会計専門職研究科の新改准教授が登壇
2024.09.05
8月22日(木)、熊本県が主催し、本学産業経営研究所と株式会社リ・パブリックが企画・運営する熊本イノベーションスクール「次代舎(第7期)」の講義「組織マネジメント応用」が行われ、本学から大学院会計専門職研究科の新改敬英准教授が登壇しました。14号館1411教室で行われた講義には、県内各地の企業から15名が参加しました。
新改准教授は、「グループワーク&クラスセッション」「ネットワークの生かし方」「幹部として必要なマインド」の3つのテーマに沿って解説。
まず「グループワーク&クラスセッション」のセクションでは、事前課題として提示されていた伊那食品工業(株)について討論しました。具体的には、受講生が各5名の3グループに分かれたうえで、同社の着実な成長の要因について、「外部環境」「ビジネスモデル」「顧客」の観点を中心に議論しました。各グループからは、「同社が取り扱っている寒天の市場規模は小さいが、その市場でナンバーワンのシェア、かつ競争相手も限られているから成長できているのではないか」などの発表がありました。討論の中で新改准教授は「この会社の大きな特徴は、年輪経営、つまり無理な成長を志向せず、利害関係者を大切にしながら少しずつ成長していくマインドにある。ただ、年輪経営をしているから業績が良いのではなく、業績が良いから年輪経営ができる、という“逆因果”の可能性もありそう」などと語りました。
次に、「ネットワークの生かし方」のセクションでは、SNSのフォロワーやFacebookの友だちなどの「弱いつながり」と、親友や親子、上司と部下、契約関係などの「強いつながり」が持つそれぞれの強さを新改准教授が解説。さらに、「弱いつながり」のネットワークでアイデアを探索し、「強いつながり」のネットワークでアイデアを実現する有効性について言及しました。また、メンバーそれぞれが別々の知識を持ち、そのうえで誰が何を知っているかを知っている状態を「トランザクティブ・メモリー」と言い、これが多様性の本質ではないか、と指摘しました。
最後に、「幹部として必要なマインド」のセクションでは、「数値目標ではないビジョンを常に語れるかどうか」「自分の限界を知り、バイアス(考えの偏り)や自前主義を捨てられるかどうか」「メンバーに任せる勇気を持ち、意見を聴くことができるかどうか」が重要であると語りました。
本講義では、セクションごとにグループディスカッションの時間が設けられ、発表者はグループディスカッションの後にジャンケンで決める、というユニークな手法が取られることに。それも相まってか、各グループでは真剣な議論が交わされていました。