本学の学生たちが「第4回 地域課題解決のための政策アイデアコンテスト」に出場しました

学生の活躍

2024.11.29

 一般社団法人大学コンソーシアム熊本(以下「コンソ熊本」)の地域創造部会が主催する「第4回 地域課題解決のための政策アイデアコンテスト」が、11月16日(土)に熊本大学黒髪北キャンパスで開催されました。本コンテストは、コンソ熊本加盟校(13校)の学生が、熊本県や熊本市から提示された課題に対し、政策提案を行うものです。今年は29組の応募があり、その中から一次審査を通過した10組が本選に進出。本学からは、個人1名を含む4組が出場しました。県と市の政策課題にそれぞれ1グループ、自由課題に1名と1グループが参加しました。

 経済学科の米田耕士准教授のゼミから個人で参加した盛田智大さん(経済学科3年)は、「健康的で活気に満ちた観光都市・熊本市」の実現を目標に、熊本市の観光振興と健康意識向上を同時に実現する政策を提案しました。盛田さんは、県や市が実施したアンケート結果を分析し、新型コロナウイルスの影響で身体的・精神的健康が課題となっていること、震災やコロナ禍を経て観光消費額が回復傾向にあることに着目。これを踏まえ、熊本市内にサイクリングコースを設置し、健康促進と観光魅力発信を図る案を発表しました。また、シェアサイクル「Charichari」の機能拡充、Eバイク導入、アプリでのコース案内、アプリを活用したポイント付与制度や利用者同士のコミュニティ形成を提案しました。

 経済学科の坂上智哉教授の3年ゼミから参加したグループは、熊本市の交通渋滞問題に着目しました。特に東バイパスの渋滞が顕著で、市内の平均車速が政令指定都市の中で下位にある状況を踏まえ、特定のエリア内、時間内に乗り入れる際に課金される渋滞税の導入を提案。この税収(年間約34億円見込み)を活用し、公共交通の利便性向上を図り、自家用車利用の抑制することで持続可能な都市交通の実現と市民生活の質向上をめざすと述べました。

 ホスピタリティ・マネジメント学科の伊津野範博教授の3年ゼミからは2グループが出場。熊本県から提示された課題「熊本県内への移住定住に関する取組について」を検討したグループは、熊本県内の18市町村が消滅の危機に直面する現状を受け、熊本中心部(「マチ」)と白川周辺(「カワ」)を一体化することで、海外富裕層の移住を促進し、地域活性化を図ることを提案しました。
 また、熊本市から提示された「熊本市における人口減少対策に資する取組について」の課題に取り組んだグループは、同学科の約250名を対象に実施した子育て環境に関する意識調査で、「公共交通機関の充実」や「緑地の増加」に着目。これに対する解決策として、東京都千代田区や京都市、シンガポールといった国内外の成功事例を参考に、持続可能な緑地整備を提案しました。緑地化を通じて、熊本市の「森の都」としての魅力を再構築し、長期的な地域活性化と住環境の改善をめざす政策案を提示しました。

 各提案に対し、審査員からは予算や政策のターゲットに関する質問が寄せられ、学生たちには新たな視点や課題を得る機会となりました。コンテストには米田准教授も駆けつけ、学生たちの健闘を称賛。コンソーシアムの会長を務める林学長も表彰のプレゼンターとして駆けつけ、学生たちとの交流する場面が見られました。同コンテストには、出場した学生以外に、本学から7名の学生がボランティアスタッフとして運営に協力。政策立案とイベント運営のそれぞれで、学生たちは貴重な経験を積みました。

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