社会福祉学科の学生が清水中学校で「ゲートキーパー研修」を実施しました
2024.11.29
11月26日(火)、社会福祉学科小山明日香准教授(専門:精神保健福祉)の4年ゼミの学生が清水中学校全校生徒を対象に、「あいプロジェクト(熊本県若者版ゲートキーパー研修)」を実施しました。これは、近年若者の自殺が増加傾向にあることから若者の自殺対策の一環として熊本市こころの健康センターと共同で実施しているもの。今年度はすでにいくつかの中学・高校で同様の講演を行っています。この研修は、自殺に至る心理状況についての知識を習得し、「ゲートキーパー」(身近な人のSOSのサインに気づいたときや悩みを打ち明けられたときに、適切な対応をするための知識を身に着けた人)を増やすことを目的としています。ゼミ生はこの日の研修に向けて、半年前から準備をしてきました。
発表のなかでゼミ生は、現在の中高生が抱える悩みについて触れ、成績や将来の進路、家族関係やSNSを通じた悩みなど、思春期は特にさまざま問題を例示。ストレスの対処がうまくできない状態が続くと、気持ちが不安定になってしまう可能性を示しました。また、中・高生2万人を対象にした思春期アンケート調査の結果によると、"死にたい”と思ったことがある割合は23.9%と、死が身近に存在していることを紹介。学生たちは「心や身体のサインに気づいた場合は信頼できる人にSOSを出すように」と生徒たちに伝えました。また、身近にそうしたサインを出している人に気がついた場合には「TALKの原則(Tell:言葉に出して伝える/Ask:気持ちを尋ねる/Listen:気持ちを傾聴する/Keep safe:安全を確保する)」を実践してほしいとし、相手の気持ちを否定せず率直に受け止めながら、信頼できる大人へつなぐことが大切だと話しました。最後に気分転換をしたいときや気持ちが落ち着かないときのセルフケアの方法として、呼吸法を紹介。皆で一緒に呼吸法を実践しました。
最後に、「TALKの原則が印象に残りました。これからは、みんなが安心できるような環境を作り、SOSのサインに気づけるような行動をとりたいです。今日の内容を心に刻み、自分自身だけでなく、周りの人も大切にできるような力を身に着けます」と在校生より御礼の言葉が贈られました。
研修終了後、発表した学生は「生徒の皆さんが真剣に話を聞いてくれていることが、姿勢から伝わり嬉しかったです。今日話した内容が、少しでも生徒の皆さんのサポートになると嬉しいです」と話しました。