第35回外国人留学生弁論大会を開催
2025.07.02
6月11日(水)、本学国際交流委員会主催の「第35回外国人留学生弁論大会」が14号館1階高橋守雄記念ホールで開催されました。この大会は、本学に在籍する外国人留学生の日本語能力向上と、日本人との相互理解を深めることを目的に、留学生活を経験するなかで抱いたさまざまな考えを日本語で発表するものです。今回は、韓国、中国、台湾、ベトナムの4カ国・地域からの9名が登壇。会場には一般の方をはじめ、在学生や教職員、ともに学ぶ留学生など約60名が聴講しました。
「私を変えてくれた先生」と題して登壇したホー ティ ジエウ レさん(ベトナム/経済学科3年)は、田舎で生まれ育ち、首都ハノイの大学で方言の違いに戸惑っていた時に出会った日本語文法の先生について語りました。先生の励ましをきっかけに努力を重ね、自信を取り戻した経験を振り返りながら、「先生は私を理解し、支えてくれる存在でした。『雨降って地固まる』というように、困難の後にはきっともっと強い自分になります」と、先生への感謝と、努力が自信に繋がることを力強く述べました。また、「橋」をテーマに登壇したホウ シセンさん(中国/大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻1年)は、日本での生活を写真で発信するなかで、SNS上での偏見や誤解に直面した経験を語りました。SNS上での日本に対するさまざまなコメントを通じて、「知らなさ」が偏見を生むことに気づき、一人ひとりの経験や対話が誤解を解く“橋”になると訴えました。「留学生とは、ただの肩書きではなく『つなぐ人』『伝える人』なのです。私たちは大洋を越え、偏見を越え、一つひとつ橋を架けていきます」と締めくくりました。
審査の結果、最優秀賞にホー ティ ジエウ レさん、優秀賞にホウ シセンさんと、グエン ホアン ロンさん(ベトナム/英米学科学部研究留学生)、来場者の投票で選ぶオーディエンス賞には、ホー ティ ジエウ レさんが選ばれました。
最優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞したホー ティ ジエウ レさんは「賞を取ることができて感動しています。弁論の準備中は発音に自信が持てず不安もありましたが、文法や発音を直してくれた友人に感謝しています。将来の夢である通訳者になるために、これからも頑張りたいです」と受賞の喜びを語りました。
審査員長の向井洋子国際交流委員長は講評で、「皆さん、本当に素晴らしい日本語のスピーチを披露されて、順位をつけるのに大いに悩みました。今回のスピーチの経験をいかして、残りの留学期間もぜひ楽しんで過ごしてください」と述べました。審査員を務めた井川理講師(経済学科)からは、「緊張するなかで堂々とスピーチされていて、とても素晴らしいと感じました」とコメント。さらに矢冨弘准教授(英米学科)は、「スピーチされた皆さんには、言葉の壁や文化の違いなどざまざまな壁を乗り越えて、日本とアジアをはじめとするさまざまな国や地域との橋渡し役として、これからの活躍を期待しています」と話しました。
入賞者と発表テーマは以下のとおりです。
【最優秀賞】
- ホー ティ ジエウ レさん(ベトナム/経済学科3年)「私を変えてくれた先生」
【優秀賞】
- ホウ シセンさん(中国/社会福祉学研究科社会福祉学専攻1年)「橋」
- グエン ホアン ロンさん(ベトナム/英米学科学部研究留学生)「間違えてもいい、そこから始まる!」
【オーディエンス賞】
- ホー ティ ジエウ レさん(ベトナム/経済学科3年)「私を変えてくれた先生」