障害のある学生の避難訓練を実施

イベント

2025.08.26

 8月20日(水)、4号館で障害のある学生の避難訓練を行いました。本訓練は、地震や火災などで避難が必要となった際に、学生一人ひとりの状況に応じた避難方法を検討・実践するもので、3名の障害のある学生と16名の教職員・学生が参加しました。サポートを受ける学生たちは自身がもつ障害の特徴や注意事項、災害時の避難について記した個人避難計画書を作成し、それに沿った方法で教職員や学生がサポートしながら避難訓練が行われました。

 避難訓練の実施にあたり、尚絅大学の吉村千恵講師(専門:社会福祉学、障害学、地域研究)が、熊本地震の経験を踏まえた避難計画のポイントや注意事項について説明。吉村講師は、「サポートを受ける学生自身が、車いすの扱い方や自身の障害に関する注意事項を理解しておくこと。災害発生時に初めてサポートにあたる人でも理解できるよう、計画をわかりやすく工夫すること。最善の方法を検討するためにも、サポートを受ける側は(訓練を実施するなかで)“怖い”と感じた瞬間を伝えて改善にいかすことが大切です」とアドバイスしました。

 参加者は3つのグループに分かれ、避難計画を立て、実践し、改善点を踏まえながら避難計画書を作成しました。実践では、電動車いすを使用した状況から急に避難が必要になった場面を想定し、4階から3階への搬送をそれぞれの計画書にもとづいて折り畳み式担架「ベルカ」や車いすなどを使用し人員を配置し、安全に実施しました。

 実践後、「人員配置のなかで最も負荷のかかる場所を記載しておくと、より安全に移動できる」「車いすに乗り移る場面の写真を添えると初めての人でも理解しやすい」といった意見が寄せられました。また、サポートを受けた学生からも「車いすの持ち手が滑らないようにグリップ(カバー)をつけた方がよい」「言葉だけでは伝わりづらいことも、写真や動画があると伝えやすい」といった声が挙がりました。

 最後に吉村講師は、「計画を立てるだけでなく、常に“こういう時はどうするか”と考える習慣を持つこと、そして環境や自身の変化に応じて、日々改善を重ねていくことが大切です」とまとめました。

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