「次代舎(第8期)」で商学部の伊津野商学部教授が登壇

教員・研究

2025.09.30

 9月22日(月)、本学産業経営研究所と株式会社リ・パブリックが企画・運営する熊本イノベーションスクール「次代舎(第8期)」(主催:熊本県)で、本学商学部の伊津野範博教授(専門:交通論、物流論)が「サプライチェーン・マネジメント基礎」と題して講義を行いました。会場となった14号館1411教室には、県内の企業から12名が参加しました。

 講義ではまず、物流の発展を「効率化」「システム化」「ロジスティクス」「サプライチェーンマネジメント(SCM)」の段階に分けて整理し、それぞれの特徴と課題を解説。なかでもSCMの段階では、個々の企業の最適化ではなく、サプライチェーン全体で情報を共有し、全体最適を実現することが重要だと強調しました。

 さらに、人口減少やEC(Electronic Commerce)市場拡大に伴う宅配需要の増加、ドライバー不足、そして2024年からの労働時間規制など、物流を取り巻く社会的課題にも言及。需要変動が誇張され無駄な在庫が発生する「ブルウィップ効果」を例に、正確な情報共有と在庫管理の重要性を受講者に伝えました。

 また、物流マネジメントにおける具体的手法として、輸送費や倉庫費の「見える化」、物流ABC(活動基準原価計算)による作業別コスト算出、標準化とマニュアル化による作業生産性の向上などを紹介。倉庫業や飲食業の事例を挙げながら、「効率化だけでなく、不要な作業をなくす発想が大切。現場の作業を一つひとつ見直すことが改善の第一歩になる」と述べました。

 伊津野教授は最後に「問題意識を持ち、日々の業務のなかで改善を実行することが企業の競争力につながる」と呼びかけ、受講者は熱心に耳を傾けていました。

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