11月29日（土）、「新1号館 みらい」3階132教室において、「持続可能な社会形成に向けて」をメインテーマに、本学産業経営研究所・海外事情研究所と韓国・全南大学校経営研究所との国際学術交流研究報告会が開催されました。

　開会にあたり、林 裕学長は「本日の学術交流会が有意義な意見交換の場となり、両大学の交流および友好関係が今後も継続することを祈念しております」と英語であいさつし、歓迎の意を示しました。その後、NA Ju-Mong全南大学校経営大学長をはじめ、5名の登壇者による研究発表が行われました。

　Su-Yol Lee全南大学校経営学部長は、気候変動が世界の最重要かつ喫緊の課題の一つであると指摘したうえで、「韓国経済は1990年からの30年間で約4.1倍に成長したが、同時に温室効果ガス排出量も2.5倍に増加し、気候変動に悪影響を与えている。経済成長と排出量削減の両立は容易ではないものの、2015年に国内で温室効果ガス排出量取引制度が施行され、技術革新も伴ったことで、2017年以降は排出削減に成功している。韓国は2050年までに温室効果ガス排出量60％削減を目標としている」と現状と展望を述べました。

　本学外国語学部岩下デビッド准教授は、日本と同様にカナダでも出生率の低下が進み、将来的な労働力不足が課題となっている現状を指摘し、その解決策として積極的な移民政策により成果を上げているマニトバ州を紹介。「成功の背景には、連邦政府による積極的な財政支援があることに加え、住居や雇用等のセーフティネットが整備され、移民が地域社会にスムーズに溶け込める環境が確保されていることが挙げられる」と説明しました。

　閉会にあたり、Koh Joon全南大学校経営研究所長は「非常に実践的かつ理論的なプレゼンテーションを拝聴できた。今後もこのような学術交流を継続していきたい」と総評を述べ、国際学術交流研究報告会は成功裏に終了しました。

 

研究報告の報告者とタイトルは以下の通り。

 

• Dr. Jinuk OH（全南大学校経営学部助教授）

「Proactive personality and turnover intentions of　nurses: The roles of professional recognition and　their supervisor’s proactive personality」

• 岩下デビッド（熊本学園大学 外国語学部英米学科准教授）

「Welcoming Strategies for Long-term Newcomer Retention: Observations from Volunteering in a Rural Canadian Community」

• Prof. Ph.D. Su-Yol LEE（全南大学校経営学部長）

「Technological Innovation, Energy Efficiency, and Carbon Emissions of South Korean Firms」

• Dr. NA Ju-Mong（全南大学校学長）

「Regional Disparities in Total Factor Productivity(TFP) in South Korea's Regional Economies During the Era of Low Growth -Focusing on the Capital Area and Non-Capital Area」

• 申明直（熊本学園大学 外国語学部東アジア学科教授）

「Sustainable Multicultural Coexistent Rural Communities and the Alternative Public Sphere」