ライフ・ウェルネス学科「卒業研究発表会」を開催しました

学び

2025.12.18

 12月13日(土)、4号館において、ライフ・ウェルネス学科4年生による「卒業研究発表会」が開催されました。本発表会は、4年生が執筆した卒業論文や、「ライフ・ウェルネス演習」における卒業研究の成果を発表するものです。スポーツ・教育・福祉・哲学・健康の5分野に分かれて実施され、同学科の2・3年生が聴講するなか、約100名の4年生が4年間の学びの集大成を発表しました。各教室では、学生や教員による活発な質疑応答や意見交換が行われ、参加した学生にとって学びを深める有意義な発表会となりました。

 池田珠唯さんは、「健康」分野において、近年SNSなどで注目を集める「グルテンフリー食」が体組成に与える影響について発表。池田さんは、本来セリアック病の治療を目的とした食事法のグルテンフリー食が、近年はダイエットや美容を目的に実践する人が増えていると指摘。研究では、健康な女子学生2名を対象に約1カ月間グルテンフリー食を実践し、通常の食事と比較しました。その結果、1日の摂取エネルギー量が減少し、体重および体脂肪量の低下が確認されたと報告。要因として、菓子類や揚げ物を控えたことによるエネルギー量や脂質摂取量の減少が考えられると考察しました。一方で、栄養バランスが偏る可能性も示されており、今後は栄養面に着目したさらなる研究の必要性を述べました。

 また、「スポーツ」の分野で鹿児島ユナイテッドFCを事例に地域密着型プロスポーツクラブが地域社会に果たす役割と可能性について研究した橋口遥菜さんは、文献調査や活動事例の分析を通じて、同クラブが環境保全活動、地産地消を重視したスタジアム運営、耕作放棄地を活用した焼酎づくり、ボランティア活動やふるさと納税を通じた地域参画など、多様な地域貢献活動を展開していることを明らかにしました。これらの取り組みは、地域課題の解決や産業の活性化、住民同士のつながりの創出に寄与しており、観客数やスポンサー数の増加といったデータからも、地域貢献活動がクラブの持続可能性を高めていることが示唆されました。研究をとおして、橋口さんは鹿児島ユナイテッドFCが競技団体にとどまらず、地域に欠かせない存在としての役割を強めていると結論づけ、今後は高齢化対策や青少年育成など、さらなる地域課題への貢献が期待されるとまとめました。

 発表を終えた橋口さんは、「もともとサッカークラブで働きたいという思いがあり、立木先生のゼミを選んだときから、自分の好きなクラブを研究テーマにしたいと考えていました。3年次の秋頃からテーマを練り、鹿児島ユナイテッドFCでのインターンシップで地域貢献活動の実例に触れたことが、研究と将来を結びつける大きなきっかけになりました。同クラブに内定をいただいているので、今後は企画やスクール事業に携わり、グッズ開発や子ども向けの取り組みを通じて、クラブがより愛され、応援される存在となるよう貢献していきたいです」と語りました。

 講評で、府内勇希教授(専門:運動生理学、トレーニング科学)は「4年生の発表は、学生らしい視点から4年間の学びの集大成がよく表れていました。2年生は、今後履修する演習が、どのような成果を残していくのかを具体的にイメージできたと思います。3年生には、来年の発表を見据えて早めに準備を進め、研究をとおして自ら段取りを考え、コツコツと取り組む力や新たな発見の大切さを身につけてほしい」と激励の言葉を送りました。

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