学術講演会「 漢字書道の美 千年にわたる東洋美学の対話」が開催されました
2025.12.23
12月17日(水)、「新1号館 みらい」の132教室で、国際交流委員会主催の交換教員による学術講演会が開催され、学生、教職員、一般の43名が聴講しました。中国深圳大学からの交換教員陳琼貴(チンケイキ)氏が講師として「漢字書道の美 千年にわたる東洋美学の対話」と題し登壇しました。
陳氏は、深圳大学の学部生、大学院生への書画、篆刻の教育、研究活動に携わるかたわら、2024年には「山水間-陳琼貴中国画作品展」を深圳美術館で開催するなど、創作活動にも精力的に取組まれています。
講演は中国語(日本語逐次通訳)で行われ、陳氏は「これから、漢字書道の美が数千年の時を超えて東洋文化の美的共通感覚までたどり着いたことに触れていきたい」と語り始めました。講演は、書道の起源から始まり、起源前4800年から4200年頃、陝西省の半坡遺跡から出土した土器の破片に記された文字が漢字最古の実物資料とされることを説明。情報伝達として使用されていたものと考えられているが、その後の過程に毛筆が関わったことが、芸術へと遂げたことを話しました。
続けて、長い中国の歴史のなかでの漢字の字体の変遷に触れ、秦の始皇帝が文字の統一を果たしたことや、王義之の蘭亭序が作られた状況など、日本でもなじみのある歴史上の人物と漢字の関りや、宋の時代に書と画が融合し、文人画と呼ばれる総合芸術が生まれたこと、日本と中国での漢字をとおした交流を述べ、学生たちは興味深く聞き入っていました。
講演後、質疑応答が行われ、「陳氏が書、書画を学んだきっかけ」「書道(日本)、書法(中国)、書芸(韓国)と呼び方が違うのはなぜか」「思想を反映したと言われる文人画と中国美術史上屈指の清明上河図との違いは」といった質問が寄せられました。
最後に向井洋子国際交流委員長は「中国の歴史に詳しくありませんが、とても興味深く講演を聞くことができました」と締めくくりました。
