国際交流委員会が主催する多文化共生トークを開催

学び

2026.03.12

 3月2日(月)、「新1号館 みらい」1階スチューデントコモンズで、令和7年度熊本県国際協会助成事業モンタナ研修帰国報告会「多文化共生トーク」を開催しました。本報告会は、コロナ禍を経て再始動したモンタナ州立大学との国際交流において、パイロットプログラムとして実施した短期研修の成果を共有し、多文化共生について学内外で考える機会として実施したもので、当日は在学生や教職員に加え地域住民の方を合わせて約28名が参加しました。

 はじめに、向井洋子国際交流委員長が挨拶し、熊本県と米国モンタナ州との友好提携関係、本学とモンタナ州立大学との姉妹校としての歩みを紹介。今回のイベントでは、基調講演や帰国報告を聞いて、多文化共生について考えるきっかけにしてほしいと語りました。

 続いて、異文化理解と移民研究を行う英米学科の岩下デビッド准教授が「多文化共生とは何か?」をテーマに基調講演を行いました。岩下准教授はまず、参加者に「多文化共生」という言葉の意味を問いかけ、欧州連合(EU)と日本(総務省)における定義の違いを紹介しました。EUでは権利保障や社会サービスへの平等なアクセスが制度として示されている一方、日本では理念が先行し、具体的な枠組みが十分とはいえないと指摘。日本の人口に対する永住外国出身者の割合が3%を超え、今後さらに増加が見込まれる現状を示し、多文化共生は理念だけでなく、雇用や住環境など生活基盤の整備を伴う場であると強調しました。カナダの農村地域の事例を紹介し、「文化理解の前提には安心して暮らせる環境がある」とまとめました。

 続いて、モンタナ州立大学での短期研修に参加した学生2名の報告会が行われました。大柿まひるさん(英米学科1年)は滞在先のボーズマンで、アジア系の学生として自らが少数派となる環境に身を置いたことで、自分自身を客観的に見つめ直す貴重な機会になったと語りました。滞在中は、日本語を学ぶ現地学生との交流もあり、言語の壁や文化の違いを実感すると同時に、「助ける側」と「助けられる側」は状況によって入れ替わることにも気づいたと報告。また、会話のなかで自分の考えを即座に言語化する難しさを痛感し、語学力に加えて、自らの思いを的確に伝える力の重要性を学んだと話しました。

 続いて、米﨑千裕さん(商学科3年)は2024年度から規格外果実を活用する農業アップサイクル事業に取り組んでおり、今回の研修では国際ビジネス関連科目の聴講に加え、農場や企業の視察を行ったことを報告。地域住民が運営に関わるコープ型スーパーや、ビール製造の副産物を再利用する循環型の仕組みに触れ、地域全体で価値を生み出すビジネスモデルの重要性を実感したと述べました。また、多様な人々を地域の仲間として受け入れる姿勢にも学び、「熊本でも新たな価値を創出できる地域づくりに挑戦したい」と今後の展望を語りました。

 報告後は岩下先生の進行でトークセッションを実施。文化の壁に直面した際の対処法などが共有され、経験にもとづく率直な意見交換が行われました。

 最後にグループワーク「みんなで咲かせる!多文化共生の桜」を実施しました。参加者はこれまでの報告を踏まえ、「熊本で多文化共生を推進するために自分たちにできること」や「あったらいいなと思うこと」をテーマに、テーブルごとに意見を出し合いました。参加者は、折り紙で桜の花を作りながら、思いついたアイデアやエピソードを花びらに書き込みました。参加者同士で折り方を教え合うなど交流を深めながら、最後は花を飾りつけ、アイディアでいっぱいの「多文化共生の桜」が満開になりました。

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