第36回外国人留学生弁論大会を開催
2026.06.23
6月10日(水)、本学国際交流委員会主催の「第36回外国人留学生弁論大会」が14号館1階高橋守雄記念ホールで開催されました。この大会は、本学に在籍する外国人留学生に日本語学習の成果を発表する機会を提供し、日本でのさまざまな体験をもとに考えたことを発表してもらうことを目的としたものです。今回は、韓国、中国、マレーシア、カナダ、ドイツの5カ国・地域から7名が登壇。会場には一般の方をはじめ、在学生や教職員、ともに学ぶ留学生など約70名が来場しました。
『「自分の目で見る」八十億分の一の真実』と題して登壇したハン タクさん(中国/経済学科2年)は、SNSやニュースなどから得た情報だけで物事を判断するのではなく、自分自身の目で見て確かめることの大切さについて語りました。熊本でのホームステイや九州各地への旅行、地域の人々との交流をとおして、日本に対する印象が少しずつ変化していった経験を紹介。「百聞は一見に如かず」という言葉を引用しながら、自分の目で見て、耳で聞き、自ら感じることの重要性を訴えました。
トンプソン ジョシュアさん(カナダ/英米学科3年)は『失敗の先に』と題して、幼いころから失敗を恐れ、自分のやりたいことにも挑戦できずにいた自身の経験を振り返りました。しかし、日本語学習を通じて数多くの失敗を重ねるなかで、その失敗を新しい知識や成長の機会として前向きに捉えられるようになったと語りました。また、日本での留学生活でもさまざまな不安や困難を乗り越えながら、「失敗とは怖くて避けるべきものではなく、本当の自分を見つけるためのものです」と、挑戦することの大切さを訴えました。
『AIは神になれるのか?―未来社会における宗教の進化―』と題して登壇したボーガースハウゼン レオナルドさん(ドイツ/社会福祉学科3年)は、AIが仏教儀式や宗教活動に活用され始めている事例を紹介しながら、AIと信仰の未来について考察しました。宗教社会学の理論をもとに、「聖なるものは人々が特別な意味を与えることで成立し、社会がAIを神のように扱い始めた瞬間、すでに聖なるものだ」と述べ、将来的にはAIそのものを信仰対象とする新たな宗教が生まれる可能性について自身の考えを語りました。
審査の結果、最優秀賞にハン タクさん、優秀賞にトンプソン ジョシュアさんと、ボーガースハウゼン レオナルドさん、来場者の投票で選ぶオーディエンス賞には、ハン タクさんが選ばれました。
最優秀賞とオーディエンス賞をダブル受賞したハン タクさんは「発表当日はとても緊張しました。ほかの参加者の発表も素晴らしく、あまり自信がなかったので、最優秀賞に選ばれたときは本当に驚きました。これからも日本語の勉強を続け、今回のテーマのように自分の目で見て、日本のさまざまな場所を訪れ、多くの経験をしていきたいです」と受賞の喜びを語りました。
審査員長の小谷学国際交流委員長は講評で、「どの発表からも、この日のために努力を重ねてきたことや、スピーチに懸ける熱意が伝わってきました。留学は人生の貴重な期間です。これからもさまざまなことに挑戦し、大きく成長してほしいと思います」と述べました。審査員を務めた井川理准教授(経済学科)は「留学体験から社会的なテーマまで幅広い内容が取り上げられ、皆さんが努力を重ねてきたことが伝わってきました。この弁論大会に向けて取り組んできたこと自体が、かけがえのない経験になっていると思います」とコメント。さらに孫希叔准教授(社会福祉学科)は、「母国語ではない日本語で、自分の経験や考えを多くの人の前で伝えることは簡単なことではありません。堂々と発表していたことに大きな感銘を受けました」と話しました。
入賞者と発表テーマは以下のとおりです。
【最優秀賞】
- ハン タクさん(中国/経済学科2年)『「自分の目で見る」八十億分の一の真実』
【優秀賞】
- トンプソン ジョシュアさん(カナダ/英米学科3年)『失敗の先に』
- ボーガースハウゼン レオナルドさん(ドイツ/社会福祉学科3年) 『AIは神になれるのか?―未来社会における宗教の進化―』
【オーディエンス賞】
- ハン タクさん(中国/経済学科2年)『「自分の目で見る」八十億分の一の真実』
