産業経営研究所「 2026(令和8)年度第1回研究会」を開催しました
2026.07.07
7月3日(金)、産業経営研究所2026(令和8)年度第1回研究会「熊本から労働問題を診る」が本学産業資料館で開催され学生や教員、地域住民の方など約30名が聴講しました。
研究会は熊本大学の紺屋博昭教授が司会を務め、まず本学卒業生で九州ルーテル学院大学非常勤講師の髙森祐樹氏が「地域における障害者雇用と合理的配慮—熊本の福祉現場から労働法を考える—」と題して講演。熊本の障害者雇用率やその内訳を全国平均と比較しながら、障害者雇用の現場における合理的配慮の在り方について説明しました。また、雇用の質を高めるためには、単なる法令遵守にとどまらず、個々の特性に応じた柔軟な対応と企業・支援機関・地域社会の連携が不可欠であり持続可能な雇用のあり方を構築する必要性が示されました。
続けてスペイン王国弁護士のフアン・カルロス・ブテリエル氏が、「地域労働市場の「ジョブ型」と外国人労働 —半導体産業が集積する熊本の現状から—」というテーマで講演。熊本では半導体関連産業集積が進む一方、生産年齢人口の減少により製造業のみならず関連産業全体で構造的な人材不足が生じている現状を指摘しました。また、技能実習制度や特定技能制度を通じた外国人労働者の受け入れが進み、今後は補完的労働力から専門性を有する人材へと役割が拡大する可能性があり、定着のための生活支援や教育体制など、地域全体での受け入れ環境整備が不可欠であると述べました。
講演後の質疑応答では、「障害者と健常者がともに働くうえで仕事内容が異なることについてどのようなとらえ方があるか」や「外国人労働者はなぜ拡大するのか」といった多くの質問が寄せられ、春田吉備彦教授の解説を交えた活発な意見交換が行われました。
参加した学生は「テーマに沿った内容で、データなどがあって分かりやすかった。今回の研究がこれからの社会の課題にどう関わっていくのか、気になります」と話し、また、障害者支援に携わる参加者からは「あらためてともに働くとはどういうものかと考えさせられました。企業側の声も直接聞いてみたいと思いました」といった感想が寄せられました。
