クマガク地域リーダー育成プログラムの3年生が「産学連携プロジェクト学習」の最終発表を実施
2026.08.26
7月25日(土)、クマガク地域リーダー育成プログラムの3年生12名が、商学部の畠山直准教授(専門:商業論)が担当する「産学連携プロジェクト学習」にて、都市再生推進法人※1の指定をめざす「株式会社熊本まちづくりuse」と「健軍商店街振興組合」に向けて、健軍エリアの公共空間を活用した収益事業プランの最終プレゼンテーションを実施しました。(会場:健軍商店街内「VARIETY CHEF」)
人口減少時代において、公道や公園などの「公共空間」を地域資源として捉え直し、民間の収益活動を特例的に認める「都市再生推進法人制度」が注目されています。この制度は、得られた収益の一部を清掃や賑わい創出などの公益事業へ還元し、「収益事業と公益事業の循環構造」を作り出すものです。
熊本市は2016年に「立地適正化計画※2」を策定し、商業や医療などの都市機能を整備する市内15箇所の「地域拠点」の一つとして健軍地区を位置づけています。学生たちはこの背景を踏まえ、事前学習で人口減少問題の本質を学んだ後、5月よりフィールドワークを実施。対象エリアである「健軍商店街」と「広木地区(下江津湖)」の現地調査を通じて課題を分析し、潜在的地域資源を発掘する「宝探し」と、それに独自の工夫を加えビジネスモデルへ昇華させる「宝磨き」に挑戦してきました。
当日は2チームに分かれ、今後需要が高まるコミュニティビジネスの事業化を念頭に、地域資源をいかしたアイデアが披露されました。
Aチームは、空き店舗のシャッターや壁面をスクリーンに見立ててプラネタリウム空間を創出する「健軍ほしぞら商店街」と、健軍夜市での体験ブース展開などを通じて商店街と広木地区を結ぶ回遊性を生み出す「みんなでつくろう!広木らんたんナイト」を提案。黒字化に必要な1日あたりの集客数など、現実的な損益分岐点を試算しました。
Bチームは、「わくわく健軍大作戦!」と題し、駐車場サービス券の進呈による来街ハードルの低下や、若手事業者が低リスクで出店・経営ノウハウを学べるフードコート型カフェスペース「チャレンジカフェ」を提案。さらに広木地区では、利用者に商店街で使える買い物クーポンを配布して地域経済へ波及させ、その収益を環境保全活動へ還元する「まちなかグランピング施設」を提案しました。
発表を受けた審査陣からは、単なるアイデアにとどまらず、「データにもとづいた客層分析」「綿密な収益試算」「収益事業の利益を公益・環境活動へ還元する制度の趣旨を汲んだ循環構造」が高く評価されました。
学生たちが発掘・磨き上げた「健軍の宝」が、今後の都市再生推進法人の指定に向けた実際の事業計画や、健軍エリアの賑わい創出・持続可能なエリアマネジメントの実践へいかされることが大きく期待されます。
※1 「都市再生推進法人」とは、市町村が行政の機能を補完しうると指定した地域の新たなまちづくりを担う団体
※2 「立地適正化計画」とは、人口減少や高齢化が進む中で、住まいや医療・福祉・商業などの都市機能を特定の区域にまとめて「コンパクトなまちづくり」を進めるための、市町村が作る将来の設計図(マスタープラン)
