経済学を学ぶと世界がわかる
ずいぶん昔、私が高校生だったとき、世界史の教師が「経済学を学ぶと世界がわかる」とおっしゃいました。当時の私はまだ、将来何を学ぶかという展望もなく、ただ漠然と適当な偏差値の大学の適当な学部に入学できればよいと考えていましたから、そんなものかな、という感想しか持ち得ませんでした。しかし、経済学を専門に研究するようになった今でも、この言葉を思い出すところをみると、私の人生を決定づける言葉だったのかなと思います。
経済はモノを売ったり買ったりすることで、経済学はそのことを考える学問と思われるかもしれません。しかし、経済学の射程はもっと広く、人間の行動すべてがその対象です。消費者は個人の満足度を最大にするために、企業は自社の利益を最大にするために、選択し行動します。その結果が経済であり、我々が住む世界です。その仕組みを根本から学ぶからこそ「経済学を学ぶと世界がわかる」と言えるのです。
「師弟同行」 学生と教員が共に学ぶ
さて、本学経済学部は、1967年に開設され、2022年に55周年を迎えました。学部開設以来、現在まで「師弟同行・自由闊達・全学一家」という「建学の精神」を教育の基本理念とし、地域社会に貢献できる有為な人材を多数輩出してきました。なかでも私は「師弟同行(学生と教員が一体となって学ぶこと)」が本学部の一番の魅力であると考えています。
経済学部学生ラウンジ(ALFE)では、資格の取得を目指して、あるいは研究課題を解決するために、多くの学生が集い勉強しています。そこに教員が訪れてアドバイスを行い、TOEIC勉強会や公務員試験勉強会、各種の研究会が自然に立ち上がります。このように本学部では学生と教員が共に学び、学生の目線に立ったきめ細やかな教育指導が行われています。
経済理論とデータ分析、法をバランスよく学ぶ
本学部では、第一に、人々の行動を記述するための経済理論を学びます。第二に、現実の経済状況を把握するため、または理論が現実をうまく説明できているかを確認するために、データの扱いを学びます。この二つをバランス良く学ぶことが大切です。リーガルエコノミクス学科ではさらに法を学びます。自らの満足度を最大化する自由な個人の行動をすでに学んでいるので、法という制約の下での行動や法の役割についてより深い理解を得ることができます。
本学部は経済学と法学を体系的に学ぶことができるカリキュラムを整備しています。また学生がもつ様々な将来の目標に向けて、より深く学ぶための専攻や履修モデルを用意しています。本学部の卒業生は、経済学と法学を学んだ専門人として、行政や金融など様々な分野で活躍しています。
経済学を学んで人生を豊かに生きる
高校生の皆さんは今、進学するかどうか、どの大学に進学するかという選択に直面しています。経済学はまさにその選択を対象とする学問です。経済学を学ぶことで、何を選択すべきか、そして、多くの人々の選択の結果として、どのような世界が形成されるのかを知ることができます。世界を知ることは人生を豊かにすることです。みなさんと共に学ぶ機会が得られることを切に希望しています。