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クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS

地域公共交通と新しいモビリティサービスの共創

経済学部

溝上 章志教授

Mizokami Shoshi

学問っておもしろい!

熊本県出身。2021年に本学経済学部に着任。
専門分野は都市・交通政策、まちづくり。
担当科目は公共政策など。

なぜ土木出身者が
公共政策を担当?

 私の専門は工学部土木系の都市・交通計画です。何故そんな人が公共政策担当の教授に?と思われるでしょう。都心に買い物に行くのに車とバスがある場合、人は自分の効用が最大となる選択肢を選択するという原理に基づいて利用交通手段を決定しているのです。これはミクロ経済学における消費者行動、つまり予算制約下での効用最大化によって財・サービスの量を決定するのと同じです。交通や都市に関する人の選択行動を分析し、都市全体の便益や個人のウェルビーイング(well-being)を向上させる施設やサービスを計画・設計するのが私の研究分野です。

地域公共交通と
新しいモビリティ

 運転手不足や経営悪化のため、バスは路線の廃止や減便をせざるを得ない状況になっています。一方で、バスには高齢者や交通弱者の移動を支える重要な役割があります。従来のバスやタクシーよりも利便性が高く、かつ効率的な運行ができそうなサービスが、“いつでも・どこでも・スマホで呼んだら・すぐ来る”乗合のバスやタクシーです。どのような地域に、どれほどの台数で、いくらぐらいの料金で運行すればいいかを、独自に開発したMAUMS(Multi-Agent Urban Mobility Simulator)というシミュレーションモデルを用いて検討しています。この研究成果は2021年10月から運行を開始した荒尾市の「おもやいタクシー」にも採用されています。

大学院に進学しよう

 理系では学部生の半数以上が大学院に進学します。欧米では企業のトップは必ずといっていいほど「MBA(経営学修士)」や「Ph.D.(博士号)」などの学位を持っています。大学院は研究者の育成が目的ではありません。大学院修士課程ではより深い教養と高度な専門知識を学び、修士論文研究に取り組むことによって、探究心の向上、希望する職場・職域へのキャリアアップ、国際的な視野の拡大、社会での広い人脈形成が可能になります。ぜひ、大学院に進学してください。

(2023年4月取材)

坂田 夏樹さん

リーガルエコノミクス学科4年

東稜高等学校出身

溝上先生の講義はココがおもしろい!

ゼミでは交通政策やまちづくりについて、学生が主体的に課題を見つけて解決策を検討し発表しています。先生は専門的な視点から、提案の問題点に対する指摘や、効用や予算、法律を勘案することなどを助言してくださいます。私はもともと公務員を志望していましたが、ゼミで新たな課題に挑戦することや、仲間と学び合う楽しさを知って、大学院進学や民間企業にも興味を持つようになり、将来の選択肢が広がったと感じています。

私の学問を支える名脇役

探究心と家族です

私の研究のモチベーションは、社会で起こっている課題を何とか解決したいと思う探究心です。加えて、家族です。子どもたちは既に社会人になって近くにはいませんが、時々行うZoom飲み会や家族旅行は私の原動力です。

先生のもう一面

基本は健康と体力

この十数年間、硬式テニスのスクールに通っています。先日はしまなみ海道サイクリング往復100kmを走破しました。本学体育館のジムで筋力トレーニングも始めました。一般の学生も自由に使える立派な施設です。

銀杏並木 459号

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