藤本ゼミのフィールドワーク「鬼神殿(きじんどん)」
2016.11.25
去る11月23日、西原村の宮山神社「例大祭」に参加・参与観察するフィールドワークを実施しました。 地域の大切な祭りであり、参加させていただくことには遠慮もあったのですが、今回は地元の方のお誘いをいただいて、学生15名と一緒に、祭りのお手伝いをさせていただきました
宮山神社は、今回の熊本地震で拝殿が倒壊し、本殿も傾いてしまいました。そこで今年は、拝殿の跡に台を組み、畳を敷き、仮の露天の拝殿・舞台として神事が行われました
祭りの神事として神楽の奉納が行われます。その最後の演目「鬼神殿(きじんどん)」から、この祭りそのものを「きじんどん」と呼ぶこともあるようです。「鬼神殿」では、鬼のような面を被った演者が子どもたちを(なまはげ的に)怖がらせた後、神主と問答を繰り広げます 神楽の舞台の周りは屋台が囲んでいます。丸ごと一尾の巨大マグロの解体をはじめ、餅つき・焼き芋・からあげ・焼きそば・焼き鳥・お好み焼き・たこ焼き・かっぽ酒・子ども向けの風船・金魚すくい… 祭りの屋台として思いつくありとあらゆるものが、全て無料で、全て地元の人びとの手づくりで行われています
神事と世俗の融合。神楽が舞われる前で、マグロの解体ショー。これぞ祭り!
傾いた本殿の前の露天の舞台で繰り広げられる神楽、そのまわりで歓声を上げる人びと 物理的な「モノ」が崩れてしまっても、人びとの中にある気持ちと伝えてきた暮らしはけっして崩れていない
そればかりか、露天で鬼神殿を催すという、新たな文化を生み出しました ここに「復興」のキーがあるように思い、鬼神殿を見ながら、じわじわと感動の思いがわき上がってくることを感じていました
今回、朝から夕方までお手伝いをさせていただいて、祭りの一部始終を体感させていただきました 学生共々、本当に得がたい経験をさせていただき、感謝の念でいっぱいです ありがとうございました
(藤本延啓)