祝 入学 ―入学生、保護者の皆さまへ―

大学

2021.04.02

新入生1,226名の皆さん、ご入学おめでとうございます。

令和3年度の入学式は、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のため、新入生、そして教職員のみでの挙行となりました。

本ページでは、本式典への出席を心待ちにされていた保護者の皆さま、都合により出席が叶わなかった新入生の皆さまへ、理事長祝辞、学長式辞、新入生代表宣誓や式典当日の写真ギャラリーなどを公開いたします。式典に出席する新入生の皆さまもぜひご覧ください。

理事長祝辞

 暖かな春風の中、命の息吹が豊かに感じられる今日の佳き日に令和3年度熊本学園大学入学式を挙行できますことは、この上ない慶びであります。学校法人熊本学園を代表して祝辞を申し上げます。

 大学学部、大学院修士課程、博士課程、大学院会計専門職課程に本日ご入学の皆さん、誠におめでとうございます。ご家族の皆さんもこの日を心待ちにしておられたことと思います。心よりお祝い申し上げます。本年度の入学式は新型コロナウイルス禍のもと感染予防に配慮し、午前と午後で2回に分けて開催するため、新入生が一堂に会することが出来ないことは誠に残念なことであります。「これほど我慢を強いられた学年は知りません」とある高校の先生が話されていたそうです。皆さん本当に大変でしたね。

 東日本大震災から10年が過ぎ、熊本地震から間もなく5年が経とうとしています。昨年7月には熊本県南部を大きな水害が襲いました。いつ自然災害が起きるかわかりません。私たちは災害には「絶対に安全だと言う事はない」ことを学びました。

 そして、若い命を災害から守るために私たち熊本学園大学は新しい校舎を建てることにしました。「新1号館みらい」と命名しました。新しい校舎には、仲間たちと、自由に課題や議論に取り組むことができるスチューデントコモンズなど、大学で学ぶための施設、設備が備わっています。大学は、皆さんを待ちわびていました。これから皆さんが生き抜いていく「超スマート社会 Society 5.0」の時代へ向けて勉強するのに最適な学び舎だと思います。

 本学には「師弟同行」「自由闊達」「全学一家」と言う3つの建学の精神があります。1942年(昭和17年)4月の創立です。来年、創立80周年を迎えます。現在の熊本市中央区立田山山麓に財団法人東洋語学専門学校として設立されました。

 新しい校舎を建てるために、学生と教職員が一緒になって山林を開墾し、校舎を建てました。自由な語らいの中で師弟が一緒になって学園の基礎を作ったのです。その時代は「自由」と言う考え方が、まだ世の中に認められていませんでした。どれだけ多くの若者がこの「自由」と言う社会を知ることなく、先の大戦で亡くなったことかは申すまでもない事です。1月に亡くなった元文藝春秋編集長で作家の半藤一利さんが、およそ10万人の犠牲者が出たと言われる東京大空襲を生き延びた体験と敗戦を基に語っています。

 「この世に『絶対』はない、ということを思い知らされました。絶対に正義は勝つ。絶対に神風がふく。絶対に日本は負けない。」と言われ続けた日本が負けたことによって、「そのとき以来、わたくしは二度と『絶対』という言葉はつかわない。」と仰ったそうです。

 半藤さんは、晩年、出版された絵本の最後の1ページに、あえて「戦争だけは絶対にはじめてはいけない。」と手書きで、書き残しています。無謀な戦争で国民を破滅に追いやった指導者たちへの怒りと無念のまま非業の死を遂げた人々への思いから発せられた言葉だと思います。

 大学には憲法第23条に定められた「学問の自由」により、教育研究に関する大学の自主的な決定を保障する「大学の自治」があり、学術の中心として深く真理を探究することを本質としています。この環境を守り抜くことが私に与えられた使命だと思っております。

 大学で学生生活を送るにあたって、心がけてほしいことが2つあります。1つには、本を読むことです。専門書は当然ですが、新聞でも書籍でも興味や関心を持ったら、積極的に文章を読み込んで欲しいと思います。「書く力」「文章を読解し、推敲する力」は、読書によって培われます。卒業後、どのような進路に進んでも、必ず必要な力です。ある大学の先生は「読書は、足りない情報を想像力で補って、曖昧なところを解決しながら自分のものにしていく過程」と言っています。大学時代に読書することによって、思考する力、想像する力を養って、「自分の真意を相手に伝える、相手の心を動かす」ことができる文章が書ける力を身に着けてください。

 幸い、本学には蔵書数91万冊を超える西日本有数の図書館があります。ぜひ、積極的に足を運んで下さい。

 2つ目は、大学時代に一生付き合える友をつくることです。学生時代の友は一生の宝です。大学では、多くの人との縁ができるでしょう。きっと長い人生のなかで、友との「縁」に支えられる日が来るでしょう。私自身、長い人生のなかで、友との「縁」によって、幾度、支えられ、助けられたか分かりません。

 そして、卒業するときに「この大学に入学してよかった」と自分で思えるような学生生活を送って欲しいと思います。しっかりした志を持っていないと時はすぐに過ぎてしまいます。若い皆さんの夢がこの大学で確実に実を結ぶことを祈念して理事長祝辞といたします。

令和3年4月2日
学校法人熊本学園 理事長
目黒 純一

学長式辞

 新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。熊本学園大学の教職員を代表してお祝い申し上げます。また、コロナ禍のため式典にお招きすることはできませんでしたが、保護者の皆さまがたにはこころよりお慶び申し上げます。

 昨年来の新型コロナウイルス感染拡大によって皆さんの生活は大きく変わり大変な戸惑いがあったことでしょう。友人たちとの直接的な語らいが少なくなり、精神的にも参ってしまったことでしょう。そうした逆境にもめげず、勉学に励まれ、本日を迎えられた皆さんに心より敬意を表します。

 私が昨年8月に学長に就任して一貫して提唱しているビジョンは「学生第一主義」の教育の推進ということです。学生第一主義とは、皆さんを甘やかすということではなく、学生の皆さんの成長、夢の実現を第一に支援し、そのことによって、卒業時点で本学に来てよかったという満足度、そして納得感を高めていくことです。皆さんもこれから本学が提供する様々な授業や、サークル、ボランティア、地域貢献などの課外活動、そして学生生活を通して、自分の将来への夢を育み、その夢の実現に向かってがむしゃらに進んでいってください。

 さて、先日、熊本駅内にあるカフェに立ち寄りました。御多分にもれず、コロナ対応で一人掛けになっています。壁の本棚にあった夏目漱石の全集が目に留まり、思わず手に取ってみました。それは第二十六巻でしたが、ぱらぱらめくりますと、「模倣と独立」というタイトルの文章が目に飛び込んできました。若い聴衆に向かっての講演で、おもわず読み入ってしまいました。そこでは若い人の今後の社会に向かっての態度として模倣、すなわち、まねることの重要性とともに、独立、すなわち、自分の意思の重要性を説いていました。これに関連して、これから大学生活を始めるにあたって、皆さんに大事にしていただきたいと思うことがあります。

 まず、模倣、学ぶ姿勢を大事にしていただきたいと思います。模倣を軽視してはいけません。この点、漱石の論調では模倣は重要だがあまり評価していません。明治の時代精神の制約かもしれません。しかし、学ぶとは他者との「対話」を通したふれあいを通じて自分を高めていくことです。赤ん坊は親の目をみて必死に学びます。人と触れ合うことによって得られる学びは大変重要です。皆さんも遠隔授業やオンライン会話で一定の情報収集とやり取りはできたと思いますが、やはりなにか重要なコミュニケーションが足りないと感じられたことと思います。また、図書館にはラーニング・コモンズや個人やグループで自由に学習できる場所があります。さらに「新1号館みらい」には、スチューデントコモンズや各学部のラウンジもあります。これらを素晴らしい仲間との出会い、語らいの場として活用し充実した学びを実現していっていただきたいと思います。

 しかし、学ぶ姿勢とともにこだわる姿勢が重要です。夏目漱石はそれを「独立」の精神といっています。皆さんは、この世に生を受けて家族にまもられ、地域で日々呼吸をし、自分を育んできました。その中で自分の感性、個性が磨かれてきたのです。その感性、個性は一人一人異なるかけがえのないものです。社会に立ち向かうためには学びの姿勢だけでなく、自分の感性を研ぎ澄まし、自分が生きていく上で感じた疑問、違和感に正面から向き合い、また面白いことがあればわき目もふらずに突進する、自分の個性、インディペンデントな自分にこだわってください。

 私の最初の違和は小学校に入学して初めての団体生活で誰も守ってくれないときの不安感でした。また、小学校4年のとき、ポスターに書かれた「社会のために」という標語への違和でした。以来、私はその違和の理由を、長い間探していたように思います。

 皆さんも自分にこだわり、自分に正面から向き合ってください。きっとこのことによって、この社会に対する自分だけができるチャレンジが可能になります。学びとともに自分の感性へのこだわりをもって、キャンパスライフを送ってください。

 チャレンジ・再チャレンジができるのが学生時代の特権です。しかし、その時期はあっという間に過ぎていきます。どうか、学生生活が実り多く、有意義となる様、一日一日を充実して過ごしてください。私たち教職員はみなさんのチャレンジをしっかり応援していきます。本日はご入学誠におめでとうございます。

令和3年4月2日
熊本学園大学 学長
細江 守紀

宣誓

 桜の花が舞い、生命の息吹を感じられる今日の良き日に、私たち熊本学園大学1,174名、熊本学園大学院39名は、本日入学いたします。昨今は新型コロナウイルス感染症の影響により世の中が混沌とする中、私たちのために、このような立派な入学式を挙行していただいた先生方はじめ関係者の皆様、誠にありがとうございます。

 私たちは伝統ある本学園に入学できることを誠に嬉しく思うと同時に、大学という全く新しい環境での生活に対する大きな期待と、同じくらい大きな不安を胸に、今日この日を迎えました。これからは、ここにいる新しい、そして心強い仲間達と共に切磋琢磨して自らの将来と向き合っていこうと思います。

 世界にはまだ、様々な社会問題が取り残されています。その中でも、私は経済に関する課題について興味を持ち、将来は日本、延いては世界経済の健全な発展に携わるような仕事をしたいと考えるようになりました。本学園では専門的な学びを更に深めるとともに、視野を広げ、周りの出来事に関心を持ち、物事を客観的に見ることができる能力を身に付けていきたいと思います。

 冒頭でも触れたように、ここ1年余りは全世界で新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい続けており、いまだに収束の兆しが見えません。コロナ禍での生活は、外出自粛や3密を避けなければならないなど、困難も多くあります。しかし、そのような状況でも私たちは、働き方や生活様式など、オンラインを活用し対応してきました。更に近年では、情報技術やAIなどの科学技術も著しい発展を遂げています。

 私たちは今、ひとつの大きな変化の時代に生きているのだと思います。これからは社会が変化していくのをただ見ているだけではなく、どう変わっていくのか少し先の未来について普段から考え、積極的に変化を促すことが、今の私たちに求められていくことだと思います。

 私たちは今後、本学園の建学の精神である「師弟同行」「自由闊達」「全学一家」の基本理念のもと、全体が一つとなり協力して勉学に努めていきます。そして、まだまだ未熟な私たちですが、先輩方が築かれた伝統を受け継ぎ、先生方のご教示を仰ぎながら、地域及び国際社会の発展に貢献するために日々精進していくことを誓います。

令和3年4月2日
新入生代表
商学部 商学科 春木 元


 桜の花が舞い、小鳥たちのさえずりが聞こえ、春の訪れが感じられる今日の良き日に、私たち熊本学園大学1,174名、熊本学園大学大学院39名はこの度入学いたします。本日は私たち新入生のためにこのような盛大な入学式を挙行していただき、誠にありがとうございます。私たちは、伝統ある本学園に入学できましたことを心より嬉しく思うとともに、これから始まる大学生活への期待と不安を胸にこの日を迎えました。これからはここにいる新しい仲間とともに切磋琢磨しながら、自らの夢のために精進します。

 私は将来、公務員や銀行員など地域の人々と直接関わり、生活を手助けできる職業に就きたいと考えています。私たちの身の回りには人々の暮らしが豊かになるように、また、困っている人たちを支援するための様々な制度があります。そうした制度は、必要とされている人に、正しく、有効に利用されなければなりません。そこで必要となるのは保険や支援金、給付金などのような制度を理解する能力、また、それを分かりやすく伝える能力、そして、一番大切なのはコミュニケーション能力です。私は小中高と地元の学校に進学したので、まわりは顔見知りばかりです。しかし、これからはお互いのことをよく知らない人たちとも関わっていかなければなりません。本学は学生数も多いので多様な人と関わりコミュニケーション能力を高め、同時に社会貢献できるように幅広い知識と教養、大きな視野を身につけていく所存です。

 昨今は急速な IT の普及やwithコロナの生活など時代が大きく変わっています。この状況に対応するために、情報を取捨選択して周りに流されないように自分で考えていくことが重要です。社会へ出る前の四年間の準備期間だと捉え勉学に励んでまいります。

 私たちは今後本学の建学の精神である「師弟同行」「自由闊達」「全学一家」の理念のもと、全体が団結し勉学に努めていきます。

 そして先輩方が築かれた伝統を受け継ぎ、発展させ、地域及び国際社会の発展に貢献することをここに誓います。

令和3年4月2日
新入生代表
経済学部 リーガルエコノミクス学科 戸高 拳心

入学者数

大学

商学部 商学科 265名
商学部 ホスピタリティ・マネジメント学科 72名
経済学部 経済学科 238名
経済学部 リーガルエコノミクス学科 112名
外国語学部 英米学科 92名
外国語学部 東アジア学科 55名
社会福祉学部 第一部社会福祉学科 89名
社会福祉学部 第二部社会福祉学科 14名
社会福祉学部 福祉環境学科 68名
社会福祉学部 子ども家庭福祉学科 81名
社会福祉学部 ライフ・ウェルネス学科 88名
合 計 1.174名

 

編入学 7名
転入学 6名

大学院

博士後期課程

商学研究科 商学専攻 1名
社会福祉学研究科 社会福祉学専攻 1名
合 計 2名
 

修士課程

商学研究科 商学専攻 3名
経済学研究科 経済学専攻 2名
国際文化研究科 国際文化専攻 1名
社会福祉学研究科 社会福祉学専攻 3名
合 計 9名

 

専門職学位課程

会計専門職研究科 アカウンティング専攻 28名

 

入学式ギャラリー

入学式当日の写真を本学公式Instagramに公開します。式終了後、16時ごろから順次アップいたしますので、しばらくお待ちください。

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