三者間連携事業で農福連携に関する特別授業を実施しました

イベント

2024.03.11

 2月26日(月)、熊本県立熊本農業高等学校農業経済科2年生38名を対象に、本学社会福祉学部の黒木邦弘教授(専門:ソーシャルワーク論)とそのゼミ生である今田清花さん(第一部社会福祉学科4年)によるゲスト講義を行いました。これは、熊本県産業教育振興会の会員である同校へ、本学と包括的連携協定を結ぶ熊本県産業教育振興会、(一社)熊本県情報サービス産業協会(以下、「情産協」)の三者が連携・協力のもと実施する共同教育プログラムの一環で行われたもの。今回は、同校の要望を受けて農福連携による課題解決の実践を学ぶことを目的に企画・実施しました。また、同校から福祉科を有する高校への呼びかけにより、熊本県立芦北高等学校福祉科の生徒たちもオンラインで参加しました。

 はじめに、今田さんが「農福連携を活用した農業活性化と障がい者の就労支援」と題して自身の研究報告を行いました。今田さんは厚生労働省が公開しているデータや農業に関する調査結果をもとに、しょうがい者雇用の拡大と農業分野の後継者不足や高齢化、耕作放棄地の増加が深刻な問題であることに着目。受け入れ環境の整備など、農業サイドの課題と、職員の農業技術や知識の習得など福祉サイドの課題を明らかにし、その解決方法として農業と福祉のマッチング支援や地域の空き家・耕作放棄地を活用した農福連携について見解を述べました。また、農福連携の実践例として小国町社会福祉協議会の取り組みを紹介し、しょうがい者の就労拡大や地域活性化について報告しました。

 続いて黒木教授が登壇し、今田さんの報告を振り返りながら、情報活用能力をいかしたデータ収集と分析について解説しました。黒木教授は、文献検索サイトや官公庁などが公開するデータを紹介しながら、文献を読み込むことや、調査結果から自身の研究テーマに関連する情報を抽出し考察することの重要性を示しました。さらに、訪問調査によって関係者から直に話を聞くことで、データだけでは見えない知見が得られると述べました。また、日本の高齢化としょうがい者雇用に関する現状を説明し、働き手が少なくなる日本社会でも重要なテーマであると言及。そのうえで、今田さんが研究した小国町社会福祉協議会の取り組みを改めて解説し、しょうがい者の就労機会の確保やそれに伴った高齢者雇用、地域の活性化など農福連携が地域レベルでの課題解決に寄与することを示しました。黒木教授は、しょうがい者の特性に合わせた多様な活動を生み出せるかどうかは、関与する人々の創造力にかかっていると指摘。そして、福祉の学びが農業における多様な活動の創出に繋がることを強調し、生徒たちに福祉と農業が連携する重要性や意味を考えるよう呼びかけました。

 講義の後は質疑応答の時間が設けられ、生徒たちからはしょうがい者雇用に対する理解の広がりや小国町以外で農福連携を行う地域があるかなど多くの質問が投げかけられました。受講した熊本県立熊本農業高等学校2年の宮﨑蘭奈さんは「今後の農福連携の取り組みの重要性を強く感じた。日頃農業について学んでいるが、福祉については勉強したことがなかったので、もっとつながりや連携について学んでいきたい」と感想を述べました。 

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