教員

クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS

学生とともに第二言語習得研究の旅へ

外国語学部

田中 晶子講師

Tanaka Shoko

学問っておもしろい!

熊本県出身。2024年に本学外国語学部に着任。
専門分野は英語教育学、外国語習得。
担当科目は英語科教育法、リスニングⅠ・Ⅱなど

英語学習における個人差に着目して

 「どうすれば英語が上手になるのか」と悩む学習者は多いでしょう。しかし、英語学習の方法は一つではありません。目的や興味によって適した学び方は異なります。好奇心旺盛で他人とのコミュニケーションが好きな人であれば、実際に海外に出て、現地の人との交流を通じた学びは英語習得への近道でしょう。しかしながら、読書が好きで、言葉をじっくり学びたい人にとっては、洋書を通して学ぶことの方に楽しさを感じるかもしれません。英語学習を個人差の観点から捉え、その多様な学びのアプローチを探ることに魅力を感じています。

親や教師のビリーフの内在化

 こうした個人差要因がどのように生まれるのかを探るなかで、学習者に影響を与える身近な人物(親・教師・仲間)の存在に注目しています。なかでも私は、親と教師の価値観(ビリーフ)の内在化プロセスと学習行動(学習方略※1使用やエンゲージメント※2)との関係に関心を持っています。これまでの研究では、内在化されたビリーフが学習行動に違いを生むことが示されました。現在は小中学生を対象に、英語をコミュニケーションとして学ぶことを重要視するビリーフと、教科学習として学ぶことを重要視するビリーフの違いに着目し、個人差要因の一つと捉えて研究を進めています。

※1 学習者の学習の仕方のこと
※2 授業への積極的な参加や主体的な取り組みのこと

楽しみながら学ぶ経験を大事に

 今年度から始まった出来たてほやほやのゼミでは、学生たちがテキストや論文を読み、発表やディスカッションをとおして、英語学習に影響を与える要因について学んでいます。学習スタイル、教師への親和的感情、幼児期や校外での英語経験、マインドセットなど、学生自らが選んだテーマに沿って、秋学期に質問紙調査とデータ分析を行う予定です。調査をとおして、データにもとづき客観的に考える力を養ってほしいと考えています。また、自らも楽しみながら学ぶ経験を大切にしてもらえたら嬉しいですね。私自身もゼミ生たちとの探究の旅を楽しんでいます。

(2025年10月現在)

新山 旺佑さん

英米学科3年

鹿児島県/伊集院高校出身

田中先生の講義はココがおもしろい!

 田中先生の英語科教育法Aの講義では10分程度の模擬授業を、英語科教育法Cの講義ではテスト作成に取り組みました。先生の丁寧な指導や仲間との意見交換を通じて実践的に学んでいます。発言の機会も多く、先生の聞き取りやすい英語の発音に触れることで、リスニング力も自然に向上しています。ゼミでは少人数で英語習得における理論を深め、食事会などをとおして先生の明るさや学生への温かな気遣いに触れることもできました。将来の成長を後押ししてくださる先生です。

私の学問を支える名脇役

思い出の英語の絵本

以前、フリーランス英語講師として「親子えいごレッスン」を行っていたとき、読み聞かせで使用していた英語の絵本です。親子関係に着目し研究を始めたのも、その経験からでした。今の研究の原点がそこにある気がしています。

私が学問を志したころ

研究の原点とゴリラちゃん

子どもが4歳ごろに本学の修士課程に進学しました。そのときの指導教員でもある林日出男先生が退職される際、記念にいただいたのがこのゴリラちゃんです。長年、熊本学園大学にいるゴリラちゃんですが、今は、私の研究室で見守ってくれています。

銀杏並木 466号

クマガク学園通信「銀杏並木」掲載号のご案内

このページの記事も掲載しているクマガクの学園通信。
大学の出来事や大学から今お伝えしたい事を特集しています。
バックナンバーもデジタルブックでご覧いただけます。