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クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS

すべての人の幸せを求める社会福祉

社会福祉学部

西﨑 緑教授

Nishizaki Midori

学問っておもしろい!

三重県出身。2021年に本学社会福祉学部に着任。
専門分野は、社会福祉学。
担当科目は、社会福祉原論、ソーシャルワーク演習、実習など。

社会福祉が
この世に存在する意義

 社会福祉は、人間社会にある差別、抑圧によって生じる貧困や苦しみ・悩みを捉え、その解決をめざして闘い続ける実践活動です。そのため学問としての社会福祉は、社会科学(社会的に生み出される不幸を解明する)、行動科学(不幸な状況に置かれた人間がどのように行動するのか)、思想・哲学(人間存在の基本とは?)を総合的に学ぶことが必要になります。この学びの上に、グローバルな視点から、個人の内面を見つめる視点まで、人間と社会を見つめ、誰もが幸せになる社会をどのように構築していけばよいのかを考えていきます。

マイノリティの立場で
考えること

 私の研究の中心は、アメリカ社会福祉史を対象者、特にアメリカ黒人の視点から捉え直すことです。制度的人種差別は、アメリカ社会では当たり前になりすぎていて、マジョリティである白人にとって意識するのは難しいものです。日本でも、在日外国人、被差別部落、ハンセン病患者、障がい者、アイヌなどへの偏見と差別は、当事者以外の人々が意識するのは困難です。この「当たり前」を崩すために、事実に基づく証拠を提示し、マジョリティの気づきを促していきたいと考えています。

他者の人権を尊重できる人に

 社会福祉原論は、社会福祉の入門として、制度や政策、専門職の働きを学びます。しかし、より大切なことは、私たちの周囲のさまざまな人に生活困難がなぜ生じ、それが当事者にどのような苦難をもたらすのかを、実感を持って理解することです。例えば、製造過程で児童労働や女性への暴力がある企業の商品を買うことは、他者の人権を剥奪する手助けになります。世界中のどの人の人権も尊重していくために、自分が知るべきこと、考えるべきことを意識できる人間になってほしいと思います。

(2022年11月取材)

板井 清香さん

第二部社会福祉学科1年

西﨑先生の講義はココがおもしろい!

 社会福祉原論では、社会福祉の原理や概念、政策を基礎として、欧米と比較し、日本の社会福祉制度や福祉の歴史について学びます。そのなかで先生が視察に行かれたスペインのSDGs、障がい者の働き方、最低賃金などの先進的な取り組みを紹介され、他国の福祉政策や制度についても学ぶことができました。講義後も私たちの素朴な疑問や相談に対し、親身になってアドバイスをしてくださる先生です。

私の学問を支える名脇役

コーヒーとジャズ

高校時代から、ずっと私の人生とともにあるのがコーヒーとジャズ。疲れた心をリラックスさせてくれます。最近は、小川珈琲店のフェアトレードのコーヒーを意識して購入しています。

先生のもう一面

ブラジルのダンス「Zouk」

Zouk(ズーク)を2014年から3年ほどやっていました。コロナ禍になってから踊りに行けないので、Facebookでプロのダンサーの踊りを観たりしています。5年前の写真ですが、Zoukの師匠と一緒に。

銀杏並木 457号

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