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クマガクフォーカス KUMAGAKU
FOCUS

台湾という地域固有の文脈を探求する

外国語学部

田上 智宜准教授

Tanoue Tomoyoshi

学問っておもしろい!

鹿児島県出身。2021年に本学外国語学部に着任。
専門分野は台湾地域研究、政治社会学。
担当科目は現代中国の政治など。

多文化社会としての台湾

 最近、熊本では台湾への注目が高まっています。日本ではあまり知られていませんが、実は台湾にはさまざまな民族的背景を持った人たちが暮らしており、歩んできた歴史もまた複雑です。多様なアイデンティティや歴史観が交錯しながらも、どのように台湾人としてまとまりを保っているのかというのが私の研究テーマです。この間、総統選挙があったので私も現地に行ってきたのですが、政治への意識や関わり方が日本とは全く違っていて面白いですよ。

地域研究と外国語

 外国をフィールドとする地域研究では、現地語の習得が必須です。現地語を理解することができれば、日本語や英語のフィルターを介した世界とは大きく違う姿が見えてきます。テレビで話されていること、政治家の演説、現地の人同士が交わしている他愛もない話、そのような外国人向けではない場面で、誰が、何語で、何を話しているのかを注意深く聞いています。台湾は多言語社会なので、私も中国語、台湾語(閩南語)、客家語の3つの言語を話すことができます。とはいえ、完璧にはほど遠いので今でも勉強中ですが。外国語の学習に終わりはありませんね。

グローバルな時代の人間関係を

 これから熊本には台湾人をはじめとして、さまざまな国からの移住者や観光客が増えていくでしょう。外国の人と良好な関係を築くには、その国の人々がどのような歴史を経験してきたのか理解しておくことが大切です。特に、日本と歴史的に関係が深い国々であれば、歴史や文化への無理解は相手を失望させてしまいます。外国語を学んでいる学生は、まずは下手でも堂々とその言語を話せるように、そして、相手が背負っている歴史や文化を理解し、尊重できる友人になってほしいです。

(2024年1月取材)

竹田 朱里さん

東アジア学科3年

熊本ろう学校出身

田上先生の講義はココがおもしろい!

 ゼミでは、分担して中国や台湾に関する専門書をまとめ、パワーポイントで発表することで知識の深化や発表スキルの向上を図っています。台湾からの留学生に向けてチラシの翻訳を行った際は、留学生と交流しながら実践的な語学学習ができました。田上先生は自身の留学時の経験や最新の中国・台湾ニュースを教えてくださるだけでなく、中国語検定試験についてや、発表のポイント、資料のまとめ方などにも丁寧にアドバイスをくださる学生想いの先生です。

私の学問を支える名脇役

ウルトラワイドモニター

作業をするのに大きなモニターは必須ですね。大型のウルトラワイドモニターは、購入してよかったものランキング第1位です。画面を3分割してword、pdf、ブラウザを同時に表示できるのが便利です。

私が学問を志したころ

台湾との出合い

なぜ台湾を研究するようになったのか聞かれるのですが、明確なきっかけがあるわけではないんです。行ってみたらそこに温かく親切な方々がいて、そのまま何となく。写真は20年前の初訪台時。

銀杏並木 462号

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